昨今では転職が当たり前な世の中となり、第二新卒と呼ばれる若手の間でも転職が身近なものとなっています。この記事を読んでくれている方の中にも、キャリアに不安を抱えていたり新しいスタートを切りたいと考えている人がいるかもしれません。
本記事では、転職活動に興味を持っている若手社会人に向けて、第二新卒の強みと市場でのチャンスを最大限に活かす方法をお伝えします。企業が第二新卒者に求めるものとは何か、どのように自己PRをすれば企業の関心を引くことができるのかを明らかにし、面接での効果的な振る舞いについても解説します。
転職活動は単なる職を変える行為以上のものです。自分自身を見つめ直し、長期的なキャリアプランを練るチャンスでもあります。この記事を通して、第二新卒としてのあなたの価値を再発見し、次のステップに向けて自信を持って踏み出しましょう!
第二新卒の書類選考対策
皆さんは就職活動の時に、企業にエントリーシート(ES)を提出した事があると思います。企業毎に志望動機や自己PRを記入(企業によっては手書き…)し、数多くの企業に送付したことでしょう。
転職活動における応募書類は、履歴書と職務経歴書の2種類があります。「2種類もあるのかよ!」と思う方もいるかもしれませんが、これらの書類はESと違い、一度使ったら全ての応募に使いまわす事ができます。
履歴書と職務経歴書の違いは、以下の通りとなります。
- 履歴書:個人の基本情報、教育歴、職歴(会社・部署名のみ)を記載するもの
- 職務経歴書:これまでの具体的な業務内容や達成した成果(自己㏚を含む)を記載するもの
転職活動では、職務経歴書が特に重要となります。転職エージェントの支援においても、職務経歴書の作成に多くの時間を割くことになります。それでは、ここから第二新卒としての職務経歴書を作成するにあたっての留意点を解説していきます。
職務経歴書の書き方
職務経歴書の大まかな構成は、以下の通りとなります。
- 最初に全体のサマリーを記載する
- 最新の職務から記述を始め、過去に遡っていく
- 具体的な数字や事例を交えて、実績と自己PRを記載する
- 実績を記述する際には、STAR法(Situation, Task, Action, Result)を意識する
個々人の経験を基にした具体的な中身づくりは転職エージェントの支援の元で行ってもらうとして、ここでは構成の作り方についてのポイントを解説します。
最初に職務要約を配置します。ロジカルな話し方では結論から話し始めるのと同様に、職務経歴書においても全体の要約を最初に置きます。サマリーは個々の内容を作成した上で書くことになるため、作成するのは最後となりますが配置では先頭に持ってくることになります。
これまでの経験業務を記載するにあたり、新しいものから順に記載していく形が一般的です。それぞれの経験に対して業務内容や残した実績、自己PRを記載していくことになりますが、ここで有効な方法がSTAR法です。
このやり方では、
まずその業務やプロジェクトの背景(Situation)を設定し、
その中で自分が担当したタスク(Task)を明確にします。
次に、そのタスクを遂行するために取った行動(Action)を具体的に記述し、
最終的にどのような結果(Result)が得られたかを示します。
第二新卒として職務経歴書を作る時の注意点
第二新卒として応募する際に職務経歴書へ反映させるとよいポイントは、以下の通りとなります。
- 異業種の仕事を理解してもらえるように書く
- その結果(数字)がどれだけインパクトのあるものか、理解してもらえるように書く
- その経験から得た学びを応募先の企業でどのように活かせるか、という点に繋げて書く
職務経歴書は、現職でどんな成果を残してきたかを伝える媒体です。第二新卒で異業種から応募する場合には、その仕事がどのようなもので、どんな難しさがあるのかを読み手に理解してもらう事が重要です。どのような商品を扱っているか、顧客は誰か、どのような価値提供をしているのかを意識して書き出してみましょう。
業務内容に加えて、そこで残した成果がどれだけすごいものかを数字で伝える必要があります。成績の順位や売上数、改善割合など、読み手がイメージしやすい形で記載します。
第二新卒として応募するにあたり一番大事なのが、「その経験をどのように活かすか」を伝える事です。仕事そのものをこなす能力ではなく、そこに至るまでの思考法など、本質的なビジネススキルを抽出してアピールする事になります。PDCAサイクルのように、どの職場でも普遍的に使う事になるスキルを有している事に繋げる書き方をするとよいでしょう。
最後に、筆者が実際に転職をした時の職務経歴書の概要を紹介します。
経験業務の中でも、新幹線の運転における定時運行と消費電力削減の両立、という取り組みで200人中2位という結果を残した事を自己PRとして記載しました。「目標設定・課題認識・計画立案・実行と反省」というプロセスにおいて、それぞれの具体的な取り組み内容を記載し、どのようにして2位という結果に至ったかを示しました。また、この経験からこのような学びを得て、それを活かして応募先の業務に活用していきたい。という内容を記載しました。
第二新卒の転職市場の現状
第二新卒とは、企業に数年間勤務した後に転職を考える若手社員のことを指します。通常、新卒での入社から3年以内を指すケースが多いですが、企業や業界によっては5年程度の範囲を含むこともあります。また、年数だけでなく年齢も考慮されます。
筆者は大学院卒で、入社4年目に転職をしました。28歳になる年でしたが、転職エージェントからはこの一年がリミットだと言われていました。そのため、第二新卒と範囲としては入社4年目を一つの区切りとして見るとよいかもしれません。(あくまで参考程度ですが…)
転職市場での第二新卒の位置づけ
昨今の転職市場において、第二新卒は貴重な人材とみられています。一定の職務経験を持ちつつ、新たな環境や挑戦に対して柔軟な姿勢を有する事が企業からは好意的にみられており、組織に新しい風を吹き込むことが期待されています。筆者が今所属している会社も、第二新卒を毎月のように採用しています。
また、基本的なビジネススキルを持ちながらも、新しい学びや成長の余地が大きいこと(ポテンシャルという言葉で表現される事が多いです)が評価されます。そのため、第二新卒としての選考では、これまでの業務実績よりも将来に対する熱意や意欲が重視されます。
企業が第二新卒に求めるもの
企業は第二新卒者に対して、適応能力の高さ・学習意欲・前向きな姿勢を特に求めています。第二新卒者は短いながらも実務経験があり、社会人基礎力があると評価されるため、企業はこれらの経験を活かして新たな環境でも活躍できる人材を期待しています。また、新しい知識や技術を積極的に学び、自己成長を図ることができる能力も重視されます。加えて、柔軟性や適応力の高さで組織に貢献できるかが評価のポイントとなります。
第二新卒の採用では、これまでの業務内容が募集するポジションの業務に関連している必要はありません。経験が直結しているならより高評価になるのは間違いないですが、全然違う業務に携わっていた人にもチャンスは大いにあります。筆者も、新幹線の運転士からITエンジニアという、全くの畑違いでしたが採用してもらう事ができました。
会社によって異なるものの、募集要項の条件はそれほど厳しくない所が多いため、キャリアおける新しい挑戦に興味がある人は、ぜひ積極的に第二新卒採用の情報を集めてみましょう。
第二新卒の強みとチャンスを理解する
第二新卒の強みはどのようなものか
第二新卒のキャリアにおける強みは、新鮮な視点と社会人経験の組み合わせです。新しい知識やスキルを得る事に高い関心を持ち、同時に実務経験から得た知見を活かすことができる点が、企業側から評価されます。また、異なる業界や職種への転職を目指すことで示される、柔軟性と学習意欲の高さも魅力となります。
このような前向きな考え方や姿勢をもとに、組織に新しいアイデアと活力をもたらすことが企業からは期待されています。
転職市場でのチャンスの探し方
転職市場でのチャンスを見つけるには、自分のキャリアにおける強みと市場ニーズを照らし合わせることが重要です。第二新卒として選考を受けるにあたり、自らの経験とスキルを客観的に評価し、それらをどのように適用できるかを考える必要があります。第二新卒としてアピール材料になる項目は、主に次の3点があります。
- 学歴・社歴
- 現職での経験・成果
- 再現性
第二新卒は社会人歴が浅いことから、基本的には即戦力として求められません。むしろ、育てる前提で見てもらえます。そのような中で採用してもらうには、「育つ見込みがある優秀そうな人」と思わせる必要があります。そのため新卒と同様に、ある程度の学歴を有していると有利になるのは間違いないです。
また、入社以降の業務経験も重要なポイントとなります。誇れる学歴を有していなくても、これまでに残した成果の経験をアピールする事で、内定を得るチャンスは大いにあります。
学歴と業務経験いずれにおいても、重要となるのは「どのようにしてその結果を出せたか」を伝える事です。成果に至るまでのプロセスを言語化し、新しい会社でもその力を発揮して貢献できる可能性があることを示す事で、第二新卒として魅力的な人材として見られるようになります。
第二新卒の最新の採用動向や、自分の経験が転職市場でどれくらい刺さりそうかは、転職エージェントに教わるのが一番です。数多くの転職エージェントが存在しますが、第二新卒の支援に定評があるエージェントとしては、ASSIGNという所があります。こちらの記事にASSIGNの詳細を記載しているため、ぜひご覧ください。
まとめ
本記事では転職市場における第二新卒の位置づけと、書類選考対策として職務経歴書の作成におけるポイントについて解説してきました。最近は第二新卒採用に積極的な企業も増えているため、若手の皆さんには大いにチャンスがあります。また、新卒の時に入れなかった会社に入れる可能性も十分にあります。
職務経歴書は、新卒のESと異なり一度作成したら全ての応募に使いまわす事ができます。良い中身を作ることで、様々な会社に入れるチャンスを広げることができます。良い職務経歴書を作成するには、良い転職エージェントの支援を活用することが一番の近道です。当サイトではおすすめの転職エージェントも紹介していますので、他の記事もぜひ読んでみてください。最後までお読みいただきありがとうございました!
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